ベーシックインカム

ベーシックインカム (basic income) は最低限所得保障の一種で、政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を無条件で定期的に支給するというシステム。

 

ポイントは3点、
①年齢とか性別とか、その他の様々な属性や境遇に関係なく、「全国民個人単位一律」
②就労の有無や婚姻の有無などに関係なく、「無条件」
③毎月一定の金額を、自由に使用できるように、「現金給付」

 

生活の不安を無くす。
この一点は大きな事で、人が自由に働ける第一歩になる。

 

BINE(ベーシックインカム世界ネットワーク)によるベーシックインカムの定義では、
ベーシックインカムはすべての人に、個人単位で、稼働能力調査や資力調査を行わず無条件で給付される。

『人類史において人間の自由を制約してきたのは、支配者による生殺与奪の権力と、「自分に課せられた労働並びに社会的生存の条件に服したがらないものにたいする餓死の恐怖」であったとし、ベーシックインカムは後者を克服することにより、自由を拡大する。』
とされているが、資本主義の弊害が大きく現れだした今、2012年の日本は、年金問題・雇用問題・生活保護など多くの問題で、もう待ったなしの状況に追い込まれている。

 

随分前より孤独死や、自殺が3万人以上が十数年続いている現代。
これは弱り果てた人が自分自身に攻撃を仕掛けたと考えてみるべきだと思う。
今、豊かに恵まれた生活を送っている人を脅す訳ではないけれど、安定した生活をみんなが送れるようにしないと、理不尽な無用な犯罪がこの先もっと増えて、結局はみんなが生活しにくい世の中になってゆくと思う。


人の命は大切だと簡単に口先だけで言う人も、言うばかりで路上で凍死したホームレスの一件を見ても、また他の餓死しての孤独死など現状は悲惨なままで、何の手も打てていない現実。

事実として、お金が有れば助かる命は現実的には多い。


そんな事もあり、とにかくスピードが大切。
今まで、抜本的な改革が必要だったのに、何の手も打てなかった(事実として)政治家には退去してもらい、本当の意味での公務員の人に、ベーシックインカムの発動を真剣に考えて欲しい。


もっと早くから対処していれば、ある部分は解決できていたかもしれないけれど、今さら言っても仕方がなく、大切なのはこれからという事。

生活保護を受けられず餓死する人々や、消えた年金の問題など現状崩壊している年金システムなど、機能していない様々なセーフティネットの抜本的な問題解決をするためにもベーシックインカムが必要と思う。

 

そしてこのシステムは社会をも、大きく変えてゆく事になると考えられる。

ベーシックインカムの良さは、「年金」や「生活保護」の抜本的な統合を図る中で、役所のムダを省きシンプルにオープンにする事により、問題の多かった社会保険庁、各自治体の福祉事務所は順次、役割を終了させる事が出来る。

 

その他にもメリットは多くあるが、ここでは一般によく言われているデメリットを考察してみたい。

 

◆予算はどうするか


ここでは一応、毎月7万円を毎月支給すると考えて見た場合。
1億2000万人に年間100万円配ったら120兆円。

 

予算とよく言う人には、まずメリットを考えた場合、普通の家で考えれば、必要な物を最優先に考えてゆくのが当たり前で、ベーシックインカムを実行するという仮定で財源を一から考え直し、全体の予算の中から最優先に使用し、他をそれに合わせてゆくという考え方が基本であり、同時にそこから他の必要な税金の使用法を考えるように、根本的な方向転換が必要。

 

現在の所得税中心の税体系から消費税中心の抜本的な簡素化された、シンプルでオープンな不正が起き難い税体系に変えていく必要がある。
消費税の見直しとしても、あくまでベーシックインカムの為だけのものとする。


◆怠け者が増える、きつい・汚い・危険な仕事をやる人がいなくなる


本当にだれも働かなくなれば高報酬を支払うように変わってゆき、実際はそうなる手前で労働力に対する需要と供給のバランスは結果的にはそれなりに整ってくる。
地域によっては当番制など柔軟に考えれば良い。


ここでは「本当の教育」という事にも目を向けるべきだとも思う。=人間の良識が必要。


それよりも、本当にやりたい仕事・作業に多くの人が自由に取り組める事の方が大きいと思う。
さらに、大変な仕事を行う人が尊敬され感謝され高収入を得るなど、その仕事がきちんと評価されるのが本来の姿。
そして、無駄な仕事をなくしてゆき、人が働かなくてもいいような、ロボット産業等に国が力を入れてゆくと同時に、ボランティアで生きていきたい人には時給制に移行してゆけば良いと思う。政治家のボランティア化も再考の余地あり。

 

右肩上がり、そして地球を消耗しまくる生活を考え直す本格的な時期にきているのではないだろうか?

働くと書いて人が動くのではなく、人の為に動くのが本当の働くの意味と言っていた人がいたが、右肩上がりや向上心はもっと違う面に向けてゆくべき時代に入ったのだと思う。


ここまで来た日本は、もういい加減「働かざる者食うべからず」という考え方からの脱却が必要。
搾取している所からは自由になるべきだと思う。
本当に良い仕事場なら、このシステムを取り入れても継続的に働く人も日本人には多いかもしれない。


◆不法移民者流入


日本国籍の人のみに配ることで解消。(まずは日本の立て直しから)
日本に5年生活している人(10歳までの子供や赤ちゃんなどは親で確認)を基本とする。


◆不正受給


ベーシックインカムの不正受給で考えられるのは、「年金」であったように、死亡者を生存していることにして家族などが不正に受給する。
これについては、支給時に毎回厳格な本人確認を行ったうえで支給する。

さらに、このシステムの違反者には残念だけど、厳罰が必要。


ただ、ベーシックインカムが進まない一番の問題は、実行する政治家、官僚や権力者の既得権に真っ向から刃向かうシステムだからと考える。
導入すれば、政治家や官僚や公務員の多くが不要になり、今のところどの先進国でも導入されないのは、政治家や官僚や公務員が国の行政を担っているのであり、自分達で自分達を首にして、さらに自分達の権限を大幅に減らすようなシステムを導入するとは考えられない。

 

これは国民のレベルがもっと高くなり、選挙でしか変えれない事を認識する事が大事と思う。

原発に取り込まれて暮らす人、暴力団を解散しても仕事が無く生活出来ない人、米軍基地のおかげで生活している人、その他様々な事情で経済的な問題のために、やりたくもない仕事をしている人も多い。

 

ベーシックインカムのいろんな批判があってもよいとは思うが、ではその代案は!と聞きたい。
現状の年金システムや生活保護の問題等を、他の方法でもっと良い方法で具体的に解決できるのなら、そしてそれが本当に良い代案があるのなら自分も応援したいと思う。

 

原発問題同様、出来ない出来ないばかり言わずに、まずやる事を決め、次にその為にはどんな問題があり何が必要かを、早い時期にまとめ実行してゆく事が大切。
日本中から良いアイデアをもっと集め、80%OK位になればスタートし、そこから微調整を繰り返していけば数年で使えるシステムにはなってゆくと思う。


ベーシックインカムは他国でいろいろ議論されてはきたが、実現できていない。
1968年のキング牧師の運動や1970年代のイタリアの「家事労働にもチェック賃金を」、2002年のアイルランド白書等でも、基本的な事は書かれているが2012年の現在の段階ではどの国も本格的な導入はしていない。
この現実を踏まえた上で、日本だから出来る、日本流ベーシックインカムの作成。

 

同時進行として考えなくてはならない事として…

 

国民総背番号制の導入(顔写真の入った身分証明書)

戸籍等の見直しは絶対に必要。
公営住宅の整備=現在のホームレスの人にも、きちんと把握して、衣食住の確保の場所を最初に用意する。
地方自治体が清掃などのボランティアを条件に無料でアパートを提供等も考える必要。
確かに7万円を渡しても、その場で飲んでしまうような人も、現実にはいるが、それは個人的には助けようがない。
最後は自己責任であることは明確に打ち出す。

 

教育(昔の道徳のような時間を取り入れ、選挙にも必ず行くような基本的に当たり前な事の教育)
医療のシステムの変更(無駄な長生きは避ける・死刑囚の問題)
住宅に対する対応(個人のプライバシーが守られた共有住宅の建設)
7万円では一人で正直、暮らしがきついと思うので、共同生活が出来るシステムが必要。赤ちゃんにも7万円ということで、少子化が多少は防げ、他人にと助け合って生きてゆく形に変わってゆくと考えられる。
衣食住の為のお金なので、他に使用は出来なくする。
管理面を考えると地域のブロック化(当面の間)

全て財産は一代限りにする?など急がないものは徐々に処理してゆけば良いと思う。


多くの良識者の意見も取り込みながら…